杖の種類や選び方

筋力が衰えてくると、立ちあがりや歩行時にバランスを崩しやすくなり、転倒してしまうことがあります。また、疲れやすくなる為、外出することへの意欲や自信が低下してしまいがちです。

しかし、外出が減り、家に閉じこもってしまうことで、足腰を使うことが少なくなる為、ますます筋力が衰えてしまうという悪循環に陥ってしまいます。

外出することは心身に適度な緊張と刺激を与えてくれる為、心と体のリフレッシュに大変効果的です。

心身の健康状態を保つ為に、杖を活用して充実した日常生活を過ごして頂きたいと思います。

杖の種類

一般的な杖は以下のタイプに分類されます。

一本杖

最も一般的な杖で多くのものはT字型になっています。杖なしでも歩行ができる程度の方に適している杖です。伸縮タイプや折りたたみタイプなど、さまざまな種類があります。

多点杖

杖の足が複数あり、片麻痺の方などに適している杖です。通常の杖と比べると、着地面積が広く、体重がしっかりとかけられる為、安定性が高いことが特長です。ただ、でこぼこ道や坂などでは、かえって不安定になるので、屋内で使用されるのがお薦めです。

ロフストランドクラッチ

腕輪に腕を通して固定することにより、他の杖と同様の握りに加え、腕輪でも体重を支えることができる杖です。腕で体重を分散できるので、握力が弱い方や手首に力が入りにくい方などに適している杖です。

杖の選び方

◆サイズ

①杖の長さ

利用者の身長÷2+2~3cm(屋外利用が多い方は、靴を履いた状態で測定)が目安です。 (下記の表参照)

②肘の角度

杖の先を足元から15cmほど外側に離して、肘を軽く(140~150度)曲げた高さが、一般的に力が入りやすいとされています。 ただし、重度の円背の方や、歩行困難な方は理学療法士や担当医にご相談下さい。

シャフト材質

主な利用場所、利用条件などを考え、シャフトの材質を選びます。各材質の主な特徴は以下の通りです。(*1)

アルミ製の杖が全体の9割近くを占める為、通常は選択肢の多いアルミ製の杖がお薦めです。

*1 一般的な特徴であり、異なる商品もございます。

グリップ

杖を選ぶ上で、長さとともに重要なのがグリップ(握り)です。 特に、体をしっかりと支える必要がある方には、手への負担や体重のかけやすさなどを確認して選ぶことをお薦め致します。 グリップの形状には大きく分けて以下の3種類があります。

形状特徴
T字型
最も一般的なグリップの形状で、体重を杖の中心にかけられる為、安定性に優れます。ある程度の握力がある方にお薦めです。
T字スリムネック型T字型の特徴に加え、ネック部分が細くなっている為、握りやすく、握力が弱い方、女性の方にお薦めです。
L字オフセット型握りやすく、安定性も高い杖です。体重をかけてゆっくり歩く方にお薦めです。

グリップの材質には、木製、樹脂製、発泡プラスチック製などがあり、すべりにくさや柔らかさなどを確認して好みのものを選んで下さい。また、別売りのすべり止めなどもあります。

杖の太さ

杖は太い方が安定性、強度に優れていますが、その分重くなります。一般的な太さは上部パイプ径18mm~22mm、下部パイプ径14mm~20mmぐらいなので、実際に杖をついてみて安定性や重さを確認して選ぶことをお薦め致します。

杖先ゴム

杖先ゴムにも、一般的な吸着型から、ゴム先が接地面に対して水平に着地するものなどいくつか種類があります。利用場所を考え、適している杖先ゴムを選んで下さい。 また、杖先ゴムは消耗品なので、使っている間にどんどん擦り減っていきます。溝の減りや片べりが進行したら、早めに交換するようにして下さい。

杖の使い方

以下のことに注意してご使用ください。

杖の持ち手

杖は足にかかる荷重を軽減する為のものなので、患部側と反対側の手に持って使用します。例えば、左足を痛めている場合には、右手に持って歩行することで左足にかかる負担を減らすことができます。歩行する時は、杖→痛いほうの足(患側)→痛くないほうの足(健側)の順に歩きます。また、多点杖及びロフストランドクラッチには右手用と左手用があります。多点杖は、シャフトがベース部の左寄りついている場合、右手用です。左手用は逆になります。市販されているものの多くは右手用と左手用の切り替えが簡単にできますので、ご購入の前にご確認ください。